細菌性冷水病

細菌性冷水病(BCWD) 英名:Bacterial coldwater disease
対象魚類 サケ・マス類

原因

Flavobacterium psychrophilumより引き起こされる細菌感染病。

症状

昔は稚魚期に多く発生したが、現在では育成魚にも発生します。アユで有名な病気ですが、ニジマス稚魚及びギンザケ稚魚でも被害が大きくなっています。1月~6月にかけて、発生件数が多くなります。稚魚では、尾鰭や背鰭にびらんや欠損が見られるのが特徴ですが、体色黒化や貧血だけの場合は伝染性造血器壊死症と見分けることができません。眼球突出や腹部膨満も見られ、イワナやヤマメやオイカワなどでも発症します。

予防

ギンザケでは、北米で発見されているものと同じ冷水病菌が病魚から分離されたため、輸入卵が発生要因と考えられます。しかし、輸入卵をヨード液で消毒しても、卵膜の内側に菌がいるため、効果がありません。このため、冷水病菌を持たない国産卵だけを取扱うのが望ましいです。宮城県では、1995年以降ギンザケ国産卵の使用割合が70%以上に増加し、冷水病被害が減少しました。また、河川にはアユの冷水病菌が蔓延しているため、河川から直接取水するのは避けましょう。
治療情報 アユとニジマスのみ、スルフイソゾールナトリウムを有効成分とする水産用医薬品の使用が認可されています。他種の魚は、本症治療のための水産用医薬品の使用が認可されていません。このため、水温25℃以上で菌の増殖がなくなるので、飼育水の加温が有効です。 また、ワクチンが有効であるという実験結果が出ているため、ワクチンの実用化が急がれます。