せっそう病

せっそう病 英名:furunculosi
対象魚類 サケ・マス類

原因

グラム陰性桿菌Aeromonas salmonicida 及び その亜種 により引き起こされる細菌感染病

症状

体表に隆部・出血・潰瘍があることが特徴です。肛門や腸管や尻鰭付根からの出血もみられます。ヒメマスは、このような症状が現れず、肝臓や脂肪組織の点状出血がみられるだけの場合もあり、症状からだけでは伝染性造血器壊死症などとの区別が困難な場合があります。

予防

昔から、サケ科魚類の伝染病として有名な病気です。イワナ、ヤマメ、アマゴでは、稚魚~成魚まで発生し、近年でも発生件数が多いです。外見が正常でも菌を保有する魚がいるので、環境水中に菌がいると考えられています。病気の予防として、河川の水を直接採取する場合は紫外線などでの殺菌が必要です。また、水温が10℃以上になると発症しやすいので、ビタミン剤を投与して、十分な栄養を与えましょう。ノルウェーなど国外では本病を予防するワクチンが販売されていますが、水産用医薬品の個人輸入は禁止されていますので、日本国内では使用できません。

治療方法

水産用医薬品の経口投与(飼料に添加して投与)が効果的な治療方法です。投薬時は、給餌量を通常の半分位に減らしましょう。
海水中で養殖している場合は、使用できる水産用医薬品がオキソリン酸を有効成分としているものだけと限られています。一方、淡水中で養殖している場合は、塩酸オキシテトラサイクリン(OTC)、オキソリン酸、スルファモノメトキシン(サルファ剤)、フロルフェニコールのどれかを有効成分とする水産用医薬品を投与できます。薬剤耐性菌が出現しているので、薬剤感受性を確かめて、どの薬剤を投与するか判断しましょう。経口投与が困難な病魚や稚魚には、スルファモノメトキシンを有効成分とする水産用医薬品を使用して、薬浴させる方法もあります。