イクチオホヌス症

イクチオホヌス症 英名:Ichtyophonosis
対象魚類 サケ・マス類

原因

Ichthyophonus hoferi の感染により引き起こされる真菌感染病。

症状

ニジマス、ギンザケ、イワナ、アユ、ブリ、カンパチ、サバなどで報告されています。ニジマスで被害が大きく、稚魚は体色黒化してヤセてしまいます。成魚は、体色黒化や眼球突出が見られ、腹水が貯留して腹部膨満になります。腎臓に結節も見られ、各地で周年発生しますが、一度に大量死することはありません。しかし、魚体内で菌が増殖して肉質を劣化させ、商品価値を下げるために問題になる病気です。

予防

菌保有魚を導入することにより、養魚場に蔓延すると考えられています。魚導入時は、注意しましょう。また、近隣の養魚場で発生した場合は、河川水を介して、菌が伝播してくるので注意しましょう。魚の大きさや水温に関係なく菌は拡がり、一度拡がると駆逐するのが難しいといわれています。
選別作業などストレスを与えると大量死することもあるので、作業前には魚体を確認しましょう。

治療情報

治療方法は見つかっていません。菌の蔓延を防ぐため、病魚や死魚は見つけ次第、取り除きましょう。水温が15℃~20℃で強い病原性を示し、4℃では病原性を示さないという試験結果があり、水温を下げると病気の蔓延が収束するのではないかと考えられています。