細菌性腎臓病

細菌性腎臓病(BKD) 英名:Bacterial kidney disease 対象魚類 サケ・マス類

原因

Renibacterium salmoninarum により引き起こされる細菌感染病。

症状

アマゴ、ヤマメ、ニジマス、イワナ、ヒメマス、マスノスケ、カラフトマス、ギンザケなどで、水温が10℃前後の春や秋に確認されます。腎臓が腫大し、白い結節が見られるのが特徴です。極度の貧血になり、眼球突出や腹部膨張も観察されます。慢性的にみられ、死亡率が高くなることが多いので、注意は必要です。ギンザケでは、淡水飼育中に感染し、海水飼育になってから発病することが多いです。

予防

昔は、欧州や米国で流行したサケ科魚類特有の病気でしたが、近年はアユにも感染することがわかってきました。病気の予防としては、菌保有魚を隔離して、菌を蔓延させない事が重要です。ギンザケ養殖では、米国からの輸入卵が汚染されていることが発病要因になっています。このため、魚卵に対する毒性が低いヨード剤(水産用医薬品)を使用して、輸入卵を消毒しましょう。

治療情報

現在、有効な水産用医薬品が認可されていません。このため、菌保有魚の処分が最善策でしょう。アユでは飼育水の加温(22℃以上)が有効です。米国では、親魚へのエリスロマイシン注射が効果をあげています。日本でも、エリスロマイシンやフロルフェニコールの投与が有効であるという研究成果が出されているので、今後の水産用医薬品認可が期待されます。